2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

池澤夏樹講演会「世界を読みとく」

先日、京都精華大学の企画で池澤夏樹さんの講演会があったので行ってきました。テーマは「世界を読みとく」。フランスに住み、並外れた読書量で、世界の文学を愛し、芥川賞の選考委員でもある、作家の池澤さん。彼が一人で選んで編集した世界文学全集が刊行…

失恋の痛みに似ている

実らない恋をし続けている、いつも空回りで選ばれたい人には選ばれず、努力をすれば、いつかわたしを選んでくれる相手が見つかるんだろうか、わたしでいいって誰か言ってくれないだろうか、もうそんな人は一生現れないんじゃないだろうか、という気持ち。一…

第7回「夢十夜」夏目漱石

ようやく十夜分読み終わりました。 http://www.sakkanotamago.com/roudoku.html 夏目漱石の有名なオムニバス短編です。第○夜と小タイトルがあって、「こんな夢を見た。」という書き出しで始まる夢の話。この話を読むまでは、夏目漱石というのは現実的な地に…

実践的掌編:千円愛

毎月毎月律儀にやって来て、嫌な顔したら、健康のしるしだとかのたまって、女やろ仕方ないやろってもう問答無用で上がり込んで長居していくずうずうしさ、来ないと困るやろってそんな困らへん、なくても元気にやってみせるわ、って啖呵切っても聞いてないし…

実践的日記(2)

私がはじめて彼に会ったのは一九九八年の春、私は十八歳で彼も十八歳だった。 大学の片隅に二階建てのサークル棟があって、仕切られた部屋のそれぞれに色分けされた大学生が養殖魚のように納まっていた。棟の入り口ではマンドリン部が群れなして合奏し、回廊…

実践的日記(1)

■7月6日(日) 朝、起きて、寝転んだまま本を読む。横田創と言う人の、新人賞を獲った小説。なかなか、おもしろい。このごろ私は、いやに早く目が覚める。でも、体は起きたくないものだから、いつまでも寝転んでいる。目覚めた心だけが、退屈で、じたばた…

一億三千万人のための小説教室

一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/06/20メディア: 新書購入: 21人 クリック: 206回この商品を含むブログ (145件) を見る 随分前の本になりますが、高橋源一郎さんの新書本「一億…

妊娠しちゃった

「妊娠しちゃった」 と、女は言った。俺は携帯を耳から離して液晶の表示を確認する。非通知。 「あんた、誰」 「たぶん、君の知らない人」 女の声は気だるく舌足らずだ。 「どうして俺の知らない人が俺の携帯にかけてきてそんなこと告げるわけ」 「あなたに…

潮流に乗れない

京都の7月は祇園祭です。月の真ん中あたりに浴衣着て夜店出てうろうろするお祭りが3日ほどあって、終わりあたりにでっかい山鉾が町を練り歩く日がある…くらいの認識で、さあ今日あたり浴衣の日だろうと思って浴衣着ようと思ったけど、とっくに終わってた。…

映画かドラマか何かの撮影してた

梅田(大阪です)をうろうろしていたら、撮影しているのに出会った。最近よく出会うのは、平日の昼間にうろうろするようになったからなのかな。映画だろうか、テレビだろうか。ゲームセンターの外に設置してある、ダンスするゲームで撮影してた。 よく長髪を…

七夕です。

七夕はいつも曇りですよね。子供のとき、曇ると織姫彦星が会えないとか言われて同情してた気がするけど、よく考えたら雲って地球の大気圏内じゃん。天の川の二人には関係ないじゃん。そんなね、一年に一度の逢瀬だし、二人きりになりたいよね。 近所のスーパ…