掌編を書きました:歌集「かたすみさがし」

かたすみさがし (新鋭短歌シリーズ8) 
田中ましろ・著。東直子・監修。

 告知が遅くなりました。書肆侃侃房から8番目の新鋭短歌シリーズとして発売された「かたすみさがし」のウェブコンテンツに掌編小説を書きおろしました。

 田中ましろさんは行動する歌人「短歌男子」写真×短歌のフリーペーパー「うたらば」など、次々とわくわくするような企画を立ち上げ人を巻き込み短歌の世界を広げていく。そんな彼が出した歌集はあちこちにQRコードが潜んでおり、コードを読み取ると、イラストや小説や朗読など、短歌から生まれた外部のウェブコンテンツにつながっていく仕掛けになっています。

 わたしが担当したのは「異音」という章で、小説のタイトルは「十センチ」です。短歌に呼応して甘酸っぱい物語が生まれました。主人公は「ちょうどよいふたり」の幸彦君です。日本リクレクジスト認定機構会報誌Holosで連載している幸彦君の数年後を描きました。短歌とあわせて楽しんでもらえると嬉しいです。

 ましろさんの歌は、さわやかなようなほろ苦いような大切な瞬間をたくさんとじこめている。さわやかな耳に優しい歌だと油断していると、ざらりと心をさらわれる。

「かたすみさがし」の詳細を知りたい方は公式サイトへどうぞ。ウェブCMもありますよ。しかし寿司編…どんな歌集だよ…。