第2話更新されました

WEB小説「夕陽丘物語」の第2話更新されました。
こちらからどうぞ。

この企画は、実在のマンション「ローレルタワー夕陽丘」を舞台にした物語で、夕陽丘というのも大阪にある実在の地名です。まるで小説のためにつけたような名前だけれども、その名の由来は古くて、1236年にまでさかのぼるそうです。
夕陽丘Wikipedia

取材のためにこの街を訪れたとき、最初に思ったことは、何だか落ち着くなあ…ということでした。広島、福岡、京都、と、ほどほどの都会を渡り歩いてきたわたしには、とても馴染む街でした。新しくて便利な商業施設や地下鉄もあるけれど、古い寺や小さなお店もたくさんある。学校も多く、いろいろな年代の人が歩いていた。
京都に移り住んだばかりの頃、大阪が苦手だった。大阪といえば大阪駅の大量の人混みか、こてこての観光地の道頓堀のような場所しか知らなかったから、もう大阪なんてこりごり!と思っていた。でも、大阪に住む友人が増えて、友達が住んでいる街を訪ねたり、お気に入りのお店を発見したり、仕事で出かけたりするうちに、街ごとにいろいろな顔があることが分かってきた。肌に合う街もあれば、馴染まない街もある。でも、様々な性格の街から好きな街を選ぶことができるというのが都会の良さなのかもしれない。
きっと部屋を選ぶ人たちは、部屋の設備を見て街を歩いて、自分がここでどんな物語をつむげるか想像するのだろうと思う。まるで小説家みたいに。