イラストレーション 2011年11月号

illustration (イラストレーション) 2011年 11月号 [雑誌]

illustration (イラストレーション) 2011年 11月号 [雑誌]

 今発売中の雑誌「イラストレーション」は中村佑介さん特集です。中村さんの仕事一覧のページに、わたしがSTARDUSTpress webで連載していたWEB小説「プローブ」のヘッダー画像が載っています。ちゃんとクレジットのところに、作者名「寒竹泉美」って入っております。本屋で探してみてください。ウェブからは消えてしまったので、こうやって印刷物で残ると嬉しいです。本当に描いてもらったんだなあ、としみじみ何度も見てしまう。
 この特集号は、中村さんの画集Blueのあとの仕事に焦点をあてていて、本当に面白かった。Blueが今までの仕事の総集編だとしたら、今回の特集はこれからの話。作品もたくさん載ってます。そして、どうやってアイデアを出し、そして取捨選択していくのかという過程も詳細に載っていて、とても興味深かったです。
 いろいろなイラストがあって、それぞれに魅力があるけれど、中村さんの絵の魅力はその世界観。映画を一本見終わったような物語がこめられている。絵が好きというだけじゃなくて、これを描く人はいったいどんな人なんだろうと、まるで小説を読んだときみたいに作り手の頭の中に興味を持った。そんなイラストレーターは中村さんが初めてでした。その中村さんに自分の作品の表紙を描いてもらって、めちゃくちゃ嬉しかったです。
「プローブ」のヘッダー絵を描いてもらったときは、まだ連載前だったので、完成原稿ではなく初稿と企画書を読んでもらって描いてもらった。企画を通すために書いたものなので、初稿というか、まだ初稿未遂みたいな段階で、文章も洗練されてないし、いろいろこっぱずかしくて、あとから本番を書くときに、わたしはこれをいろんな人に見せたのか…!!と悶絶しまくったほどですが、でも中村さんは、ぴたりと一発で世界観を絵にしてくれた。それは半年間の連載が終わって作品が完成しても、何の違和感もなく、ぴたりとはまっていた。いや、はまるというよりは、世界観を現しつつ、どこかすっと突き抜けるような、広い世界につながっているような、そんな感じでした。すごいよ、本当に。
 これからの中村さんの活躍も楽しみ。進化していくのだろうな。同時代に生まれてよかった。また描いてもらえるようがんばる。がんばりますよ。