夏休みはもう終わり

 北海道行って帰ってきました。そして、断捨離の本に影響されて部屋を片付けはじめました。そうこうしているうちにバイトが始まって。長い夏休みはもう終わり
 最近は、部屋を片付けながら、自分の駄目さと向かい合う日々です。今までブログで嘆いていたような高尚(風)な文学(風味)的な実体のない駄目さではなく、もっと野暮ったくて泥臭くてしょうもなくて、でも生活の実感をともなった駄目さ。そういうものをひとつひとつ拾い上げてホコリをはらいながら、わたしはわたしの中にあるこういうものを書かないといけない、と強く思った。
 一つ前の日記を書いたときと今では、ひとかわ剥けたどころか、さなぎになって羽化して形態が変わったくらいに自分の中が変化した気がしている。わたしはずっと何様のつもりだったのかな。
 北日本文学賞用に書こうとしたものは、8割方できた時点でしっくりこなくて止まってしまった。こんな年の元旦の新聞にふさわしい小説って何だろうと考えたら、この物語は間違っていると思った。過去の受賞作をポッドキャストで聞きながら、この賞で求められているのは、人生の重みのようなものなんだろうなと感じました。特別なところなどない(と自分で思っている)主人公が日常の小さなきっかけから今までの人生の中の何かに気がつく、そんな話が多い。30枚の中に人生がある。わたしに書けるんだろうか、と、ずっと考えている。
 あの3月11日以後、新たな物語を思いついては、これでは駄目だと却下することを繰り返している。書きかけのものは進まなくなった。
 ふいに、まったく違う長編のプロットが降りてきて、なぜかそれは、ホラー小説のプロットだった。ホラー小説は苦手で、10代の半ばまではホラー好きだったのに、あるときから避けるようになっていた。何でわざわざ、自ら進んで怖い思いをしなきゃいけないんだ、と思っていた。でも今は、命が危ないほどの恐怖というものに向き合ってみたい。そして、人がそれにどう立ち向かっていくのかを書いてみたい。
……宣言しては立ち消えてばかりなので、何だかあれですが。でもこんなふうにホラーを書きたいと考えること自体が初めてなので書き残しておきます。

 最近読んだ面白かった本はこれです。村上春樹の1000文字くらいの掌編集。1000文字って、せっせと自分で数えたので違ってるかもしれないけれど。愉快で不思議でちょっと染みる話がいろいろ。

夜のくもざる―村上朝日堂短篇小説 (新潮文庫)

夜のくもざる―村上朝日堂短篇小説 (新潮文庫)