☆1つ

 STARDUSTpress web のサイトは連休が明けてから、どんどん更新されてます。今週は、23話24話が更新されました。そして、感想8感想9もアップされています。感想を編集部に送ってくれた方、本当にありがとうございます。面白いという感想も、面白くないという感想も全部ありがたいです。
 なんてクールに言ってみたものの、実は、最初は、面白くないという感想をもらったら、ショックを受けたりしてました。10の応援メッセージよりも1の批判が気になってしまう。そんなのおかしいって理屈では分かってるし、ネガティブな感想でもわざわざ時間を割いて書いて送ってくれたことに対して感謝するべきだと頭では分かってるのに、なかなか浮上できなかった。
 でも、Amazonで、いろいろな作品の☆1つのレビュー(☆は5つが最高なので、批判意見・面白くなかったという感想が主のレビュー)を読みまくっているうちに、吹っ切れました。たくさんの人に絶賛されている小説でも「全然面白くなかった」という意見が一定数存在する。わたしが、心から面白かったと思った小説でも、全然面白くない、最悪だ、という感想は存在する。いくつもいくつもそんな例を見ているうちに、人って、わたしの想像以上にいろいろなんだ、と思うようになった。
 きっと、☆1つをつけて批判してる人だって、わざわざ感想を書き込むくらいだから熱心な本好きなわけで、別の作品には面白かった!なんて手放しで言ってるんだろうなと思ったら、趣味や考え方はまったく違っても、本を愛しているという点で同志だという気持が勝手に沸いてくる。そんなふうに思ったら、個人の声がいっぱい聞こえてくるネットが面白くなった。そんな視点から批判するのか、とか、そんなところを嫌だと思うのか…とか思いもよらない意見ばかりで、全然違う世界が垣間見える。Amazonって昔はもっとレビューが少なくて、おすすめのレビューか、アマチュア書評家みたいな方のかっちりとした感想が書かれてた気がするけど、今の状態、面白いなあと思った。いろいろな人が、いろいろなことを自由に言える。1つの本について、ああでもないこうでもないと言い合っている。そういうネットの場って何だか頼もしい。
 とはいえ、傍から見てると興味深いけれど、自分が言われる立場になると、やっぱりネガティブな感想や批判は、恐くて仕方がない。でも、表現者として世の中に身を投げ出してるわけだから避けられないことだ。批判が嫌なら、仲良しの友達にだけ見せていればいいわけで。表現者だからというか、仕事をしている人たちはみんなそうだ。評価される場に自分を投げ出して、認められたり叩かれたりしながら成長していく。
 そんないろいろな人がいる中で、自分の書いたものを面白いと思ってくれる人がいるというのは、本当に信じられないくらい嬉しいことだなと思う。プロなんだから当たり前と言ってしまえばそれまでなんだけど、ときどき、その嬉しさについて、じっと考えて、ありがたさを噛み締める。