科学系の読み物のおすすめ

人はなぜ恋に落ちるのか?―恋と愛情と性欲の脳科学 (ヴィレッジブックス)

人はなぜ恋に落ちるのか?―恋と愛情と性欲の脳科学 (ヴィレッジブックス)

 この本がとても面白かったです。女性脳科学者が解き明かす「恋」の仕組み。脳科学的な見地から、恋は盲目状態なのはドーパミンの放出が関与しているとか。動物と比べてどう違うか、とか。進化の過程に照らし合わせると、恋や浮気はこんな説明ができる、とか。文学作品の恋の描写を引用し、実際に恋したり失恋したりしている被験者の例も生き生きと描きつつ、脳科学から進化、動物の生態学まで幅広く網羅しながら恋の説明を試みる読み物。
 わたしには面白くてしょうがなかったのですが、でも、万人にはおすすめできません…。恋をそんなふうに解説したらロマンがなくなるって、がっかりされそうで…。
 というのも、高校生のとき、片思いしてた相手に、ある本を面白かった!と紹介したら「夢が壊れた、読まなきゃよかった」って、がっかりされたトラウマがあります。これ。
空想科学読本

空想科学読本

 鉄腕アトムウルトラマンドラえもんなど、空想上のヒーローがもし実在したとしたら、科学的にどうなるか検証した本。たとえば、ドラえもんタケコプター(頭につけたらくるくる回って、空が飛べるやつ)は人を持ち上げるほどのタケコプターの回転に耐えられず体が高速で回転するか、頭がちぎれてしまうみたいな内容だった覚えがありますが。
…ものすごくわくわくして読んだのに!ああ、きっと、相手も面白がってくれるに違いないと思っていたのに!とてもショックでした。
 というわけで、夢が壊れたとか思わない人におすすめの本です。
 脳つながりで、この本も面白かったです。
脳のなかの幽霊 (角川文庫)

脳のなかの幽霊 (角川文庫)

 事故などで腕をなくしたのに、ないはずの腕が痛くなる幻肢痛が起こる脳の仕組みやら、自分の体の一部を他人のものだと主張する患者の例やら。全部が100%正しいかというと怪しいところもある、と友人は言ってましたが(嘘があるというわけではなく、まだ現代科学で解明しきれていないことも含まれているので)。読み物として面白い。「意識」とは「自分」とは何かを考えさせられる科学読み物。
 脳は不思議で面白いです。わたしの大学院の専門は脳科学でした。