展示「私小説」アップしました

 ブックファースト梅田店での1ヶ月間の展示が終了しました。アクセスしやすい場所にあったおかげで、たくさんの人に見に来てもらいました。見たよーって言ってくれた人だけでもたくさん。ゲストブックに残された感想がお手紙みたいで、とても大切に思いながら読みました。宝物です。ありがとう。ところで、私は誰でしょう?って書いてくれた方、誰ですか。気になるよ!わたしの鈍さとひとでなしさをあなどってはいけない。
 というわけで、展示作品を写真物語としてウェブにアップしました。
http://sakkanotamago.com/story18/0.html
 自分でやっといて何ですが、内容暗いなとアップして思った。光に溶けるような写真とあたたかい文字のおかげでごまかされていますが。でも、見てよかったといろんな人に言われたことに、わたしが驚いた。
 最近、ブログやツイッターなどではネガティブな言葉は書けなくなった。ブログやツイッターの言葉は基本的には人に向かってしゃべっている言葉だから、タイミング次第では受け取った人が自分のことかもしれないと勘違いしてしまうということが分かってきたから。わたしは自分のことを書いただけなのに、思わぬところで誰かを傷つけてしまう可能性がある。
 ネガティブなことを表に出せないのは別にネットに限ったことじゃない。実生活でもそう。人は、できるだけにこにこ笑っていなくてはいけない。
 じゃあ、ネガティブな思いはどうすればいいんだろう。たぶん、それは小説に書かれるべきなんだろう。小説の言葉は人に向かうのではなく物語に向かっている。受け取る人は物語を介して受け取る。間接的な伝達だ。誠実に真摯に放り出さず希望を持って書けさえすれば、闇の物語は読む人の物語となって、誰かの行き場のないネガティブな言葉の聞き役になってくれる、そんなことができる展示になったらいいなと思ってました。
 ふらりと立ち寄ったカフェで、気持のいい写真とあたたかい言葉にリラックスして眺めてもらった。そんな展示風景も想像しながら読んでいただけると幸いです。これは自分の写真と(わたしの写真は気真面目すぎるのです)活字(活字は迷いがなくて強すぎるのです)だと実現できなかったな。やりたい形を実現させることができたのは、kyarry+さんと坂上彰哲さんのおかげ。あと、このギャラリーに訪れた人みんな、こんなところに静かに本が読めるカフェがあるなんて!と感動してました。ブックファースト梅田店の3階のカフェ。梅田近辺なのにこんなに静かに本読めるカフェはないかも。おすすめです。
(展示の様子)

 連載小説「プローブ」は不定期更新です。現在第6話までアップされています。話が進むと中村佑介さんの絵がなるほどなあという感じでますます楽しめるかと。引き続きよろしくお願いします。
パソコン用http://bit.ly/ey5lHw   携帯用http://bit.ly/gngKSB
(※掲載終了しました)