ルイーダの酒場的な

 わたしの出会いの場ということで。大阪中崎町one plus 1 gallery。小さな一軒家の二階建てギャラリー。オーナーの八津谷さんが写真家なので写真の展示が多いですが、イラスト展やらてづくり石鹸教室やらいろいろな催し物も開催されているギャラリーです。
 実はオーナーの八津谷さんとの出会いは5年前。ウェブ雑誌Folioをやってたときに作品を提供してもらったのが始まり。

by Folio 10号 八津谷泰三作品集
 それでギャラリーを知って、ちょくちょく見に行くようになって、公募グループ展に出展して人の輪が広がって今に至るのでした。Folioをやっていたときは、こんなふうに人の輪が広がるなんて思いもしなかったけど、ぶれない活動をして、よいものを作っていきさえすれば何でも繋がっていくものだなあと思うのでした。
 で、昨日から始まった写真+鉛筆画「暗い部屋」展を見に行ってきました。暗い部屋、端的に言うとラブホをテーマに、八津谷さんと、鉛筆画の鈴木啓文さんが、大量の作品を仕上げてコラボ展示しています。

詳細:http://one-plus-1.net/blog/index.html
 八津谷さんの写真が壁を埋め尽くしている様は圧巻。主に女性の裸写真。わたしはいつも彼の写真を見ると言葉を失って圧倒されてしまう。卑猥といえば卑猥。でも何か違うんだよね、卑猥とは。ものすごく迫ってるけど、そこに下心や媚びがないというか。彼の写真に写ってる女の子の裸は、男に向けたものじゃなくて、一人きりでだらしなく過ごしているときのような、なまなましい生活感がある。誰のためでもない、裸。トイレしてるとこ盗撮されたような、感じ?
 なんだろねえ、といつも思う。エロいといえば、もちろんエロい。しかし、なんかエロだけじゃなくて、なんだろねえ。。分からん。
 一人称の小説のようだ、と、ふと思った。一人称の小説の主人公は、誰かに媚びたりよく思われたりしようとして語らない。だって、そこには誰も見ていない、誰にも話しかけていない、という決まりがあるから。(誰かに話しかけるように喋る一人称もありますが)
 鈴木さんの絵は鉛筆画だからなのか絵の持ち味なのか、いい意味で無味乾燥。長い旅をして浜辺に打ち上げられてからからに乾いた白い木片のような味わいがある。遠い記憶、失われた過去、すべて洗い流されたあとのもの。八津谷さんのウェットな写真と一緒に展示されると、その空虚さが「暗い部屋」というテーマを浮き立たせてた気がしました。いろいろな物語が繰り広げられ終わり、そのたびにリセットされて、また次の物語を待つ、静かな部屋。
 ぜひ、見るべき。ですな。24日(木)までで、火曜日は休廊です。
 以上、2回に渡って酒場の常連の恩返し的宣伝をお送りいたしました。

 あ、そうだ。そろそろBirth冊子の応募を締め切ります。多数のご応募ありがとうございました!…嘘です。3通の応募ありがとうございました!先着順で全員に送らせていただきました(笑)