東京行ってきました。そして、個展終わりました。

 週末から東京に行ってました。Birthカフェのオープニングパーティーでは、Birth出身の作家さんとイラストレーターさんがぎっしり揃ってましたよ。全員じゃなかったけれども、本当個性豊かな面々が…。文字や絵でしか知らない人が、三次元化すると、何か感動した。ぼむっ、って召喚された幻みたい。ああ、夢だったんじゃないか、あれは。というか、作家になったとかも既にわたしの妄想で…。と、思いながら、個展での販売で余った本をぺたぺた触りながら、嘘じゃない、妄想じゃない、と自分に言い聞かせるのです。
「月野さんのギター」のカバーアートを描いてくれた房野さんともお会いできて、お話できました。イラストレーターさんって自分と似た絵を描くんだろうか…。あの繊細な美しい絵のまんまの美少年さんでした。コラボアートや、小冊子の作品を見せてもらったりして、なんかね、もう、贅沢言えば、オレンジのバックの斜めに切り取られたカバーじゃなくてさ、もちもちふにふにっとした白っぽい装丁のハードカバーいっぱいに描いてほしい絵。もったいない。オリジナル装丁でハードカバー作ってもらえる作家になるよう、がんばろ、わたしが出世しよう。
 今回のBirthカフェの企画でご一緒したトモさんときゃっきゃお話して、先に出版されてサイトで知ってたBirth先輩の面々の三次元化に感動し、ちっこくてきさくで超可愛いうえむらちかさんに癒され、これから本出るんですよーという人たちにエールを送り、ふわふわしてるうちに終了しました。面白かったです。
 しかしあれだよ、この出版不況のご時世、新人作家なんて一体何人が生き残っていけることか。夢のような楽しいパーティーが本当に幻にならないよう、がんばらないといけない。死屍累々、という言葉が浮かんだのでした。新人作家の死体の山が…。でも、みんな覚悟が決まってる人たちばかりだから、ある意味すがすがしい場でした。
 これから一か月、銀座のスワンカフェでコラボ作品とBirth作家とイラストレーターさんの新作が載ってる小冊子が無料で置かれいるBirthカフェが始まります。イベントというよりは、小さなカフェにそっと置いてある感じなのだけど。銀座に出てきてお茶する用事があれば、立ち寄ってみてくださいね。小冊子、かわいかったよ。
 次の日は講談社へ。預けていた二作目の打ち合わせに行ってきました。二作目って出せばいいってわけじゃない。次につながるか、そこでがっかりされてファンが離れてゲームオーバーになるか、そんな重要なターニングポイント。分かってたつもりだったのに、自分の甘さに気付かされて、とてもとても反省して帰ってきました。真摯な担当編集者さんの言葉、全部が有難かった。デビューさせて、本にして終わり、じゃなくて、二作目に真剣につきあってくれるってすごいことだなあ…と改めて思った。そして、今までの自分の傲慢さにぞっとした。何に落ち込んだかといったら、作品の欠点を指摘されたときに「やっぱり」と思った自分に落ち込んだ。見損なったわ。やっぱりって思うようなもの、出すなよ、プロとして。
 自分が情けないなーと思いながら、でっかいでっかい講談社のビルを出て、とぼとぼ歩いて、Birth作家仲間の岸穂花ちゃんと合流して、あれこれしゃべりながら、元気になって、一緒に夜行バスで帰ってきました。
 個展会場に行ったら、あたたかいメッセージや、久しぶりの人の名前や、最終日に来てくれた人たちが迎えてくれた。
 個展してよかった。読んでくれた人、応援してくれた人が、三次元化してわたしの前に現れてくれた。わたしはこれから自分が怠けたり奢ったりしそうになったら、みんなの顔を思い出して、はっとして、また真摯に自分の仕事に戻れるような気がします。
 二作目、もうひとつの候補を仕上げてまた挑戦します。これから取りかかるよ。デビューしてからというもの、ウェブ連載やサンドイッチ小説、個展などなど、本当にいろいろなことを経験させてもらったから、もっといいものが出来る気がするな。楽しみ。楽しみ。
 パーティーと個展のお礼と写真はまたあとで。サイトを見守って待っててくれた人に、とりあえずご報告でした。