珈琲について考え続ける日々

 学芸カフェの連載分ようやく提出して、ほっと一息。たった1500字なのに、いやだからこそ、毎回毎回苦労する。何に苦労するかって、自分と違う登場人物たちの中に入るのに苦労する。一人称なら一人だけ考えていればいいんだけどなあ。これはもう三人称の宿命ですなあ。人物と作者との距離は自由自在だから、手を抜きたければいくらでも抜けれるんだけど、手を抜くと「よくあるキャラ」のテンプレートにはまってしまう。それだけは避けたい。テンプレにはオリジナルの魂が宿らない。1500字で魂の片鱗見せるためには、だらだらしてるわけにはいかなくて、ぱっと本質を見せなくてはいけないから下準備に時間がかかるみたい。
 というわけで、次は個展について考える日々。「珈琲から始まる物語」って銘打ったからには、珈琲から始まらなきゃいけないわけで、今はとにかくいろんな角度からの珈琲をかきあつめているところです。何となく全体像は思い浮かんでいて、小説の展示をどうするかってことも何となくイメージしているところ。なんかね、全部読まなくても斜め読みしても楽しめて、全部読んだらもっと楽しめる展示になればいいなあ。文字の断片映画。全部つなぐと別の何かが見えてくるような。で、書き下ろした物語は冊子とかにまとめてコピー本みたいにしてコピー代くらいの値段で買ってかえってもらえたらいいなあ、と。「月野さんのギター」も店内で販売してもらう予定です。余力があれば、葉書小説も印刷する。
 昨日は、よみうり読書サロンというイベントに行きました。あ、観客としてですよ。わざわざことわるまでもないか。…って、その話したいけど眠くなってきたので、また今度。

 新しいカフェに行ったらとりあえずコーヒーをオーダーしては写真撮っている。使うかどうか分からないけれどね。
 このコーヒーは、TRACTION BOOK CAFE。食べ物がとってもおいしくて、空間が贅沢で、セレクトが素敵な雑誌がたっぷり置いてあるカフェです。月と六ペンスは、わたしにとって、ちょっと背筋伸ばしてしゃきっとして執筆や読書や推敲をするカフェなのだけど、こちらは、リラックスして雑誌をめくりながらぼんやり構想を練るカフェ。二つのカフェは、同じ高倉通にあるのです。