文学界「十一人大座談会・ニッポンの小説はどこへ行くのか」

文学界4月号の企画が面白かったです。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/

【十一人大座談会】
ニッポンの小説はどこへ行くのか
岡田利規 川上未映子 車谷長吉 島田雅彦 諏訪哲史 田中弥生 筒井康隆 中原昌也 古井由吉 山崎ナオコーラ 高橋源一郎〔司会〕
第一部
小説がいま置かれた状況
第二部
我々はいかに戦うか
世代を超えた作家十一人が一堂に会し、日本の小説の現状と展望を徹底的に討論する、文學界五十年振りの大企画!

「文学」の人たち――大座談会後記
高橋源一郎
【コラム】五十年前の座談会とは

十一人座談会ってそんな無謀な…!と思いましたが、でもまあ編集の腕がいいのか、司会の高橋源一郎さんの腕がいいのか、混乱もなく濃い内容の記事になってました。たぶんその場ではいろいろな意見の応酬や、絡みや雑談があって、一人が喋ってても横槍が入ったりするのだろうな。でも記事では、一人ずつが自分の小説の信念を長々と語ってます。とにかくその場の人たちが、それぞれのキャラクターで、それぞれの作品論を展開しているのが面白かった。方向性はいろいろなのだけど、みんな真摯に自分の仕事に取り組んでいる感じが伝わってきて頼もしかったよ。すごいなあ。その場に混じってみたい。でもまあ、たぶん話についていけないだろうな…。この人選は絶妙と言うか。全員が右へならへという感じの仲良しさんではなく、異物同志ごつごつしながらも、だけど相手を否定したり切り捨てたりしない、小説の書き手という広い淡い連帯感が伝わってきて、ときどきにやにやしながら読みました。