脳の不思議

 休日だよ休日。休日は休まないと!とばかりに本を大量に読んでました。単行本一冊読むのに、きっちり3時間かかります。しかも読み始めたら中断できません。三冊読んだら、お尻が痛くなりました。読書にいいソファが欲しいです。しかし、ソファという家具は深々と座ってしまえば、コーヒー一つ飲むのにも苦労する。カフェでソファ席を陣取ったのはいいけど、小さなテーブルに置かれたパスタを、どこの長老様かってくらいに腰を屈めて食べるのはどうにかならないでしょうか。お皿を持って食べるんでしょうか。ケーキくらいなら何とかなるけど、パスタは無理だよ。ソファ席でパスタを頼むなということなんでしょうか。コーヒーだって零しそうでふるふるするよ。食べることばかりですが、ソファではパソコンも上手く使えない。ソファに深々と座りつつ、適度な角度をつけてらくらくとキーボードが打てるパソコン台はないものでしょうかね。ソファってなんかこうどうしていいのか分かりません。よって我が家にはまだソファがありません。
 タイトルは、読書の記録に書いた一冊から。

ぼくには数字が風景に見える

ぼくには数字が風景に見える

 この本、とっても面白かったです。サヴァン症候群の本人自身がつづった本。脳の世界ってのは本当に主観的な世界であって、わたしが見ている世界と他の人が見ている世界が同じである保証はない。サヴァン症候群の人の見ている世界はわたしたちの見ている世界と大きく違っている。その世界を当の本人が分かりやすく親しみやすく語ってくれている本。数字の計算という面に特化すれば、彼の見ている世界は特技になるし、人とのコミュニケーションや全体の流れを把握するという面から見れば、彼の世界は欠点になる。でもそれらも大きな意味で個性なんだなと思わせてくれる本。本人がこれだけはっきりと他の人との違いを自覚しながら説明してくれる本ってないよなあ。とても面白かったです。
 この本に登場する科学者、ラマチャンドラン博士は脳の不思議な眠れる能力について精力的に研究していて、彼の書いた本もとても面白い。
脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

 手足が切り落とされてなくなっているのに、ないはずの手足がかゆくなったり痛くなったりするのはなぜか。脳のいろいろな不思議を、不思議だなあで済まさず、科学的な見解を与えようとする。脳ってのは本当にたくさんの能力を秘めているのだけど、普段は眠っている。「脳の中の幽霊」とタイトルが与えられているけれど、一人一人の人間の脳の中にいるのは幽霊どころか全知全能の神だったりして、なんてことを夢想する。意識で考えられることなんてほんの一握りだ。もっと大きな力にゆだねてみたらいい、芸術って脳の中の神と交信することなんじゃないかなーとか思ったりして。わたしは、はっきりと何かの宗教を信じているわけじゃないけど、人間の意識を超えた大きな力は信じていて、それをみんな神と呼んでいるんじゃないかなと思っている。教えがあったり、修行があったり、断食したり、祈ったり。人間は、いろいろな方法で、その神と交信する方法を生み出したんだと思う。わたしは物語をつむぐのです。それは、祈りによく似ている。