絶望の先にしかないもの

 泣き言ならいくらでも言える。全部自分が引き起こしたことなのに。時間もない。思いつかない。途方もない。わたしには書けそうにない。心の底から絶望してああもう駄目だと思った。そうしたら、物語が少しだけ見えた。これを書けば次が見えてくるかもしれない。
 絶望しないと新しいものが生まれない。
 絶望すれば新しいものが生まれるから大丈夫と考えているうちは、まだ絶望できていない。
 もう書けないと20回思い終わったあとに一つの物語が完成する。

 この日記は準備運動なんだな、きっと。日常を振り落として、少しだけ別の世界へ入るための。あれをしてこれをしてこう感じた、というような普通の日記がなかなか書けないのは、たぶんそのためなんだと思った。