んでですね、寝て起きて考えた。

 この話のストーリーって細部まで思い出せるんだけど、これを小説にするにはどうしたら面白いんだろうと。もともと小説が原作らしいけど、読んでないので置いといて。
 筋だけ拾い集めたら面白くなりそうもない。この映画は、腹では不満で一杯なのに無理矢理笑顔を作ってその場をとりつくろっているジャック・ニコルソンが面白いんだなあと思う。彼の本音が、ボランティア団体へ寄付によって養子になった遠いタンザニアの子供に向けて書かれる手紙の中だけに表れるのが面白いわけで。三人称で面白いものが書けるか? いやそれは映画の脚本以下のものになってしまう。小説ならではの味を出すなら、このストーリーは一人称。一人称で小説を書くとしたら、テキスト全部がその手紙と同じ役割をしなくちゃいけないだろう。地の文で述べつまなく毒づいている主人公がいいだろう。で、彼をとりまく出来事は平和に流れていくし、彼が口にするセリフはその場の空気を決して凍りつかせたりはしない。でも地の文ではひたすら本音を言いまくっている。そのギャップをうまくコメディにできれば面白い小説になるんじゃないかな。