28

 28ですよ、ほら。と0時に手渡されたものをするすると身につけてみたら、案外ぴったりとフィットして、わたし28でいけてるじゃんと思ったそんな誕生日。28、いいね。年を取れば書けるものが広がる。過ぎた気持ちをいつでも思い出せる柔らかささえ常に保っていられるようにだけ、気をつければ、広がるばかりで。

 小説家を目指すと言うとこんな暑苦しい日記を一度も見せたことのない人からは、半笑いで夢見た現実逃避かという顔をしたり心配されたりする。本気で、ということを伝えるために三次通過したと言うと、三次通過したから小説家目指す決心したの? と言われて、ああなんか全然違うのにと思いながら、どう違うのか説明できなかった。たとえ、今回予選通過しなくたって、そう決めてたと思う。あと不安な顔を見せる人たちはわたしに才能があるかないかなんてことばかりを言う。三次通過したなら才能があるから大丈夫だねと言われるのもまた違う。でもどう違うのか、やっぱり説明できない。
 みんなさ、作家という職業からわたしが選ばれるかどうかを問題にしてるんだ。でも、わたしが問題にしてるのはそうじゃない。わたしが選ぶんだ、選んだんだ、作家という職業を。選ばれるかどうかなんて考えてたら、たとえ運良く新人賞で選ばれた気がしても、今度はいつ捨てられるか怯える毎日だよ。才能があるかないかなんて悩んだりしてうじうじするの? 違うね。わたしが選んでやったんだって。わたしの一回しかない人生をこれにします!って賭けて選んでやったんだって。自分が選んだんだから誰にも文句言えないからいいよね。一生芽が出なくても、わたし、人生楽しかったと言って死ぬことも決まってるから。片思い上等よ? 待ってるばかりじゃ成就しないよ。
 いつもいつも暑苦しいオタ日記ばかりですんません。更新も気まぐれですんません。相変わらずでいくつもりですが、28のぱそ子もどうぞよろしくお願いいたします。