みんな、いとおしい

 18時過ぎたら真っ暗闇。なんだか慣れないなあ。寂しい。もっと早起きしろという説もある。

 去年の今頃はシュウカツしてたんだなあと思い出す。しかもシュウカツしょっぱなから最終まで呼ばれて、ほいほい絶好調の時期で。いろいろ恥ずかしい。結局全部最終段階でどしどし落ちたわけだけど、受かってたら今のわたしはないわけで、また違う状況になっているわけなんですが。まあ、絶対受からないだろ、一年前のわたし、と今なら思える。だって、やりたいことが他にあるんだもの、ばればれだもの。

 それでもって研究者になるとか燃えてて実験しまくって、でもやっぱり文学賞に出すために小説も猛烈な勢いで書いてて、三月末に小説が完成した時点で、わたしの答えは出た。賞の結果なんかじゃなくて、誰かに見せたときの反応じゃなくて、ただ、書き上げきったときに、その答えは出たんだ。

 そこからは、毎月のように友人の結婚式があったり、歌ならったり、みんなで遊んだり、ハワイに行ったり、いろんな人に会ったり、遊んでばっかりなんだけど、なんか、のびのびしてる。大学出て新卒で就職(というにはまあ年取ってますが、一応新卒っちゃあ新卒)とか、院出てポスドクになって留学して研究者とか、そういうレールを降りて、自由な気分でいろいろな人の人生を眺めるようになっている気がする。なんだか、人がみんな、いとおしい。長くて恥ずかしくていい一年だった。28歳もまた、あとになって「恥ずかしい」と振り返れるような無我夢中さで駆け抜けたい。どんな一年になるんだろう。一年前のわたしに比べて、今のわたしの方が好きだなあと思える。毎年そう思いたい。そう思われたい。