世界一の古書街だそうだ

 はてなスターってなんじゃ?と今頃気づきました。付けていただいた方ありがとうです。嬉しいです。で、いきなり更新が増える単純なやつ。

 東京滞在日記の続き。古書の街、神保町に行ってきました日記。

 その日は、それまでずっと涼しかったのに夏が戻ってきたかのような暑さだった。駅を出るともうそこは古書の街だった。うず高く黄ばんだ本が積まれた店がいくつも並んでいた。京都にも年季の入った古本屋はいっぱいあるし、梅田にも古書街はあるので、それほど期待していなかったのだけど、ここの古書街は一味違う。いきなり鼻息荒くなってしまった。店ごとに古書のジャンルが分かれていて、どの店を回っても見飽きない。評論専門、楽譜専門、映画専門、生物専門。こんな専門まであった。

…鉄道趣味?

 絵本専門のお店があって、そこで懐かしい絵本を取り出しては眺め、友達とお喋りしあった。わたしが知ってる絵本の種類は大抵の場合、誰よりも多い。小さな頃からたくさんの本に触れさせてくれた親に感謝する。そのあと映画専門の店にはまる。古い映画のポスターや、昔の映画雑誌の付録なんかを黙々と目を光らせてめくっていく二人。お宝の山。んでもって安いし。見たことないけどデザインが気になった映画のポスターを一枚(500円)、若かりし頃のナタリー・ポートマンの写真特集雑誌(50円)を一冊買った。
 ランチはわたしがガイドであらかじめ調べていたカレーの店ボンディに。何か神保町は古書とカレーとコーヒーの町なんだそうだ。昔の喫茶店といった感じの欧風カレーの店ボンディ。薄暗い店内は客で溢れていて、一足遅かったら入れないところだった。文字だけの簡素なメニュー。それぞれ注文し終えてしばらくのち、テーブルの上にゆでただけのじゃがいもとバターが置かれる。

…カレーは全てポテト付って書いてあったけど、ポテトって…!これ…!?

 一人二個ずつらしい。皮を剥きながら食って待つ。ラーメン屋のゆで卵みたいなもんか?

 カレーはすこぶるおいしかった。また食べたい。辛いカレーもいいけどこんなふうにほっとするこくのあるカレーは、いつでも食べたくなる味。しかも重くない。…多かったけど。じゃがいも食べたあとにこれかよ…!?

 ボンディのあるビルはビル全部が古書店。上へ上へと探検していくと本格的な文学古書屋があって、ガラスケースの中に芥川の直筆未発表原稿(数枚ほどのエッセイ)があった。ぐはあ、鼻血…!80万円だった…!原稿用紙の升目に合わせて、読みやすい丁寧な字で書いてあるのが何だか意外だった。ガラスに顔くっつけるように見て、拝んできた。

 それから何だか古くておどろおどろしい喫茶さぼうるへ。薄暗い店内をよく見回してみると、壁中落書きが。

 天井にも壁にも柱にも。その落書きの密度っぷりや徹底してる。アートになってる。一体誰が始めたんだろう。店のおじさんが壁に絵を掛けようとして、常連客がもっと右とか左とか口出ししていた。何だかゆるいゆるい時間が流れていった。

 最後に、集英社を見てきたよ。小学館集英社はこの街に並んで建ってるのです。むう、今度は呼ばれてここに来てやるもんね。