鎌倉日記

 はてなダイアリーってのはログイン機能があって、ログインしないと更新できないわけなんだけど、あまりに放置してるとログイン期間が切れて、自分のページにやってきたのに左上に「こんにちはゲストさん」と表示されるのがあまりに寂しい。しばらく家を留守にしてたら成長した子供に初めましてって言われたパパのごとく悲しい。こんな悲しいことにならないよう、せっせと日記を更新しようと決意を固めるのであった。

 で、鎌倉日記。東京というか横浜の友達の家にずっと滞在してたので、鎌倉とか友達と一緒に行ってみたよ。人生二十日枕、いやもとい、初鎌倉。

 江ノ電乗り放題の切符買って、のんびりとお散歩。お昼は江ノ島にある彼女のおすすめのフレンチトーストのお店を目指しつつ。

 一両編成で家と家の間やいろんなとこをちょこまか通る江ノ電君。初鎌倉なんで大仏に付き合ってもらう。大仏の前に好きな店があるんだけど万人に受けるかどうか分からないと言いながら友人が連れてってくれた店は、武器屋だった。

  うわー、超興奮。もうちょっとゴールド貯めてから来なきゃ。忍者から侍から騎士から戦士、古武道まで古今東西なんでもござれ。なんでこう武器ってどきどきするんだろう。 てか寺の前に武器屋ってどうなのだ。で、大仏とご対面。

 大仏の中は空洞になっていて入れるのだけど、中が真っ暗にならないように大仏の背中には窓がついている。そこがなんとも情けない感じで。子供が指さして大仏さんかわいそうと言ってた。大仏の裏には野生のリスがいると教えてもらい、一生懸命探して発見して感動した。かなり至近距離で必死に木の皮食ってるこいつを撮りまくり。

 電車に揺られて江ノ島へ。この島には猫がたくさんいた。捨て猫を島の人たちが協力して避妊手術して、大事にみんなで飼ってるんだそうだ。人懐っこい猫の島。

 それからエスカレーター(名前はエスカー)で展望台まで登って、その中にあるカフェ、ロンカフェでランチ。フレンチトースト屋さんなので、ランチもおいしかったけど、フレンチトーストがものすごくおいしかった。外がカリカリで中はふわふわ。甘い甘い匂いで幸せいっぱいになった。外が見えるこのカフェで、ぼんやりと眺めているとおじいさんもおばあさんもデジカメを持って風景や花を撮って楽しんでてにわかカメラマンといった風情。心に残ったものを手軽に記録できるデジカメっていいな、と思った。たとえばこういうブログもどきだって手軽に文章を綴れるツールなわけで。誰もが気軽に自分を表現できるツールが増えるのはいい。自分がやってみれば受け取る側の解像度も上がる。誰でもできる、そこから出発して、わたしたち表現者は彼らに負けない何かを生み出さなきゃいけないと思った。

 二人でとぼとぼと歩いた。歩いては立ち止まり写真を撮ってまた歩いた。一人でいるのとほとんど同じペースで、でも一人でいるより全然落ち着いて楽しくて気持ちがよかった。心配した天気は適度に曇り。涼しくて鎌倉日和だった。砂浜にも降りた。砂は濃い灰色だった。友人が、一生懸命何かを拾ってたと思ったら、どっちがいい?と彼女はきらきらした石を二つ見せてくれた。一生懸命拾ってたのは波に洗われ丸くなったガラスのかけらだったんだと知った。うーん、こっちかな。半透明に透き通った水色のガラスを指差したら、彼女はそれをわたしにくれた。

 そんな優しくて静かな一日を過ごしました。