毎日書道展

 今回ハワイ行きのメンバー二人ともが関東人だったので、わたしも上京して成田から出発したのでした。往復夜行バスでしたよ。だって、新幹線高いし…!しかもせっかく東京に行ったんだからと、あれこれ見て回ったりもしてました。その中の一つが毎日書道展。8月1日に行ってきました。

 六本木にある新国立美術館という出来たばかりの綺麗な美術館で開催。なぜ書道なのかというと、Folioで昔インタビューさせていただいた宮村弦さんの作品が展示されてると聞いたからなのです。写真でしか見たことない彼の作品を生で見たい…!しかもたまたま開催日時が東京滞在日と一致する!行くしかねえ!みたいな感じで行ってきました。

…てか、展示点数多い!

この写真は宮村さんのが展示されている「み」のブース。これが延々とあいうえお順にあるんだよ。巨大図書館かよ。彼の作品は、これ。

 ジャンルとしては前衛書というらしく、特定の文字を書いたわけではないらしい。まあ一言で言えば「かっこえー!!」という感じでした。言葉屋のくせにこの感想は手抜きすぎるか。もすこしがんばれわたし。写真では分からないけれどふつふつと泡がたって消えたような不思議なかすれ具合が印象的で、大きくて静かな水の中の生き物(でかい鯉とか、大なまずとか)のような文字。どこから書きはじめてどういう経路通ったんだろう…ってじーっと眺めてました。

 金子鴎亭さんという書の大御所の企画展もあり、そっちも随分楽しめました。表現力豊かで素朴で飾り気がなくて心にすっと言葉が届くような書。彼が、書に一番近い芸術はダンスだと言っているのが興味深かった。リズムと勢い、そして一旦書いた線は取り消せない。なるほどなあ。わたしは書は歌に近いなと思った。言葉に息吹を吹き込んで生き生きと個性を持たせる。詩や文学の一節も題材になっていて、それがしみじみと味わい深かったです。家に飾ってしみじみと眺めたいと思いました。いや、でもわたしは小説書きとして、こんなふうに書家の人が題材にしたくなるような情景豊かな文章が書けたら幸せだろうなと思いました。