絵日記の効用

pasoco2007-05-23

 ここ最近ずっとイラストレーター(職業の方)について調べているのだけど、まあ知識だけ膨らませてもしょうがないし、下手ながらも自分で絵描いて試行錯誤してみたら何かが掴めるに違いないと思い、恵文社でミニスケッチブック(写真)を購入し、さっそく今日一日を絵日記してみました。

 た、たのしー

 し、しかも、うあー。やってみてよかったよ、ほんと…。小手先の技術の描写にばかり気を取られていたけれど、一番重要なことを忘れてました。それは絵描きの「目」。日常生活を営みながら、絵描きは絵描きの目で情景を切り取っていくんだと、絵日記のネタを探してて気づきました。どうやって絵にするか。何を強調するか。何が絵にしたら面白いか。そんなことを考えながら風景を眺める。そして、描くためには漠然と見るだけじゃなく、watchしないといけない。
 面白い人物がいて、その人を思い出しながら絵を描いてみると、服が全然描けないことに気がついた。覚えてない。見てたはずなのに。今までわたしは服装とか容姿の描写が苦手だったけれど、それはちゃんと「見て」なかったからだったんだなと気がついた。ファッションの専門用語を見よう見真似で羅列しても響く描写にはならない。言葉は事実を増幅できるけど、空っぽのものを飾り立てても魂が入らない。まずはちゃんと見よう。絵日記二日目。その効用はまず「絵描きの視点で見る」ということのようです。見る。見分ける。そしたらもっと知りたくなる。知るとまた見る。その繰り返し。
 ちなみに普段は「小説書きの目」で情景を切り取っているわけだけど、それはどういうことかといえば、常に見る対象に物語を見出そうとしてるんだと思う。風にそよぐ木だろうと、古い家だろうと、妙な行動をする人間だろうと。そういう場合の見方と絵描きの見方は違う。角度が全然違う。両方の目を持って生活できれば、広がっていくな。世界の解像度が。そして小説に生きると思う。

 このスケッチブックが埋まるまではとりあえず続けたい。絵で一日を締めくくると、「今日も一日楽しかった、ありがとう」という気分になるよ。ありがとう。頭で考えてばかりじゃなくて、下手でもいいから何でもやってみなきゃね。