イラストノート

pasoco2007-04-23

遊べる本屋ヴィレッジ・ヴァンガードで見つけた雑誌「イラストノート No.2」が面白い。イラストレーターを目指す人のための雑誌なんだけど、イラスト業界に疎いわたしが読んでも面白いのは、今回の特集が雑誌のイラスト特集だからなんだろう。イラストレーターの特集が組んであって、名前や顔見ただけでは分からないけれど、作品を見たら「ああこの絵!知ってる知ってる!」とか「この絵好きなんだよ、この人が描いてるのかー」と絶対分かる。そんな普段当たり前のように見ている絵が、どんなふうに作られているのか、写真付きで素人でも雰囲気が分かるように紹介されている。コンピューターと手描きを合わせながら、それぞれがこだわりを持って細かい細かい工夫を重ねて試行錯誤の末、生み出された作風なんだなあーということが分かる。なんか感動する。あと、そのイラストレーターが有名になるまでの苦労や試行錯誤のエピソードも興味深い。イラストというのはもちろん単独で作品であるけれど、雑誌や本やポスターなんかで使われるときは、テキストやコンセプトが先にあって、ここにこういうイメージを与えたいからこのイラストレーターにお願いしよう、と編集者が決めるわけであって、だから他のイラストレーターとは違う独自の作風を持つことが大事だし、かといってある作風が当たってそればっかりの注文が来てしまうと、どんどん消費されてしまうばかりになるから、自分で新しいものを提案したり、ときには注文がなくなって干される可能性も覚悟してがらっと作風を変えることもある。時代を捕まえる。もしくは時代を作っていく。でもそれに流され過ぎず、自分を表現していかないと飽きられる。

単独で作品となる小説家と比べて、イラストレーターってのは時代の流れや自分の持ち味みたいなのにものすごく敏感でなきゃいけなくて、尖ってる。そのプロ根性みたいなのがひしひしと伝わってきて、かなり影響受けまくりました。1600円だからためらったけど、本当いい買い物をした。