活動報告おさめ
iPhoneアプリ「ノベルなび」に短編「宵山のあと」がアップされました。祇園祭の宵山での話です。iPhoneやiPadを持ってる人しか読めないけど、いずれはWEBでも読めるようになる予定です。表紙イラストは大前壽生さんです。
無料アプリなので、こちらからDLしてみてくださいね。第3回ノベルなび大賞受賞作も少しずつアップされています。
これが2011年活動報告おさめ。今年も本当にありがとうございました。2012年もがんばります。
2011年3月。小説のウェブ連載をリアルタイムで書いている真っ只中に、あの地震が起こった。わたしは「小説家として何かしなくてはいけない」と思ってじたばたした。できもしないことを夢想して、何もできないと嘆いて現実から目を逸らし、悲劇のヒロインになってめそめそしていた。その間にも、逃げられない現実の渦中で苦しんでいる人たちがいて、淡々と自分のできることをやっていく人たちがいて、そんなことをしている場合ではないとようやく気がついたとき、膨れ上がって巨大になっていた幻想の自分像が、しゅるしゅると小さくなって体にぴたりと収まった感じがした。わたしは何者でもない、と思った。長さ159センチの体の正しい密度や質感を手に入れた気がした。
自分の正しい大きさを知ったら、自分を信じられるようになった。できることをやっていこうと思った。そして、少しずつ、できることを増やしていけばいい。
2011年もたくさんの人たちに助けられました。ありがとうございます。これから、ひとつひとつ心をこめてお返ししていきたい。よいお年をお迎えください。