31才

ファースト・プライオリティー (角川文庫)

ファースト・プライオリティー (角川文庫)

 1つ前の日記で、わたしが31才だと書きましたが、たまたま読んだこの本、31才の女性がテーマの短編集でした。31種類の31才女の人生が詰まった1冊。1編は短いので、執筆の合間の切り替えにぽつぽつ読んでた。いろいろな人生がある。年を限定することで、そのいろいろさが浮きだって面白かった。
 山本さんの書く女は、少し性格が悪くて少しだらしなくて少し駄目なんだけど、自分の駄目さにとても自覚的で、読んでいると自分が普段、無自覚に撒き散らしている駄目さに気づかされたりする。笑って読んでたら自分のことだった、みたいな。
 この中にアメリカの9・11事件をテレビで見ていた主人公が体調を崩す「当事者」という短編があった。震災のことを思いながら読んだ。