小説講座と京都の桜

 以前は京都の左京区に住んでいて毎日のように鴨川を眺めていました。今は南のほうに引っ越してしまったのでなかなか左京区まで行く機会がなかったのですが、昨日は洛翠舎主催の小説講座の講師をするために自転車で鴨川をずっと北上していきました。鴨川の桜がきらきらとまぶしかった。

 カメラを持って行ってなかった(というか、遅刻ぎりぎりで写真を撮る暇がなかった)ので写真は2年前のものですが、このときと変わらない風景があって、ほっとするような気持がしました。ああまたちゃんと咲いている、と思いました。
 洛翠舎で講座をするのも、もう4回目。続けて来てくれる人も増えてきたので、毎回違うことをやっています。
 第4回は描写についてでした。描写でどんな効果が出るのかを何人かの作家さんの文章を引用して読み比べてみたり、暑いということを「暑い」という語を使わずに表現してみる、というテーマで、語り手が男だった場合、女だった場合、子供だった場合、どう変わってくるか、なんてことをみんなで考えたり、実際に暑さが伝わるような描写を書いてもらって、伝わったかどうかをお互いに読み比べてみたり…なんてことをしました。参加してくれた方、おつかれさまでした。ありがとうございます。詳細や写真は後日アップします。もしかしたら動画も。2ヶ月後くらいにまたやると思います。決まったらブログやツイッターで告知します。サイトの左のお知らせのところにもアップします。
 プロを目指してる人から、小説は書かないけど普段の文章がうまくなりたい人や、小説家が何を考えて書いているのか聞いてみたい、って人まで、参加してくださる方の動機はいろいろです。どの方にも何かしら発見があるような内容を目指していますので、もし興味をもたれましたら次回お気軽にご参加くださいね。
 洛翠舎の他の講座もおすすめです。どの講座もわたしと同年代の若手研究者が講師です。少人数でアットホームな講座です。興味がある分野がありましたら、ぜひ。
京の若手研究者による市民講座:洛翠舎 http://rakusuisha.com/

 京都の桜は今が見頃のようです。わたし、京都で、ずっと見てみたい桜があるのですが、それは谷崎潤一郎の「細雪」に出てくる平安神宮神苑のしだれ桜なのです。また今年も重い腰が上がらず見れなかった。というか今まだ咲いてるのであきらめるのはまだ早いのですが、人が多いんだろうなあと思うとなかなか。せめて?というわけではないですが、細雪に関して書いたエッセイをサイトにアップしました。2009年11月、「月野さんのギター」が発売される直前に書いたエッセイです。
■古都の影 第4回 京都の桜 ――「細雪」 谷崎潤一郎
http://www.sakkanotamago.com/recipe/koto.html