「ハウスソムリエ」

 大阪のクリエイティブグループ、スタジオOJMMが企画・編集するウェブマガジン「学芸カフェ」が更新されました。わたしの建築な連載小説も残すところ、あと4回です。
学芸カフェ
http://www.gakugei-pub.jp/kanren/toshiken/index.htm
 今回のインタビューは、芸妓さんでジャズシンガーという真箏さん。かっこええ…!
 いやあ、あと4回か。1年って早い…!と振り返るのはまだ早いですか? 残りあと3回分、既に考え終わって2回分は執筆できているので、1年の連載が終わった気分です。
 建築な小説というお題をいただき、悩みに悩みぬいて生まれ、かつ月1回1500字というスローペースかつ丁寧に育ててきた物語なので、どの登場人物にも愛着がある。全員主役という今までにないパターンかもしれない。専門外の領域を舞台にすることで、世界も広がった。
 これも、ひとえにスタジオOJMM代表の建築家の牧尾さんへの度重なる取材やら、建築系出版社学芸出版のMさんの建築トークやらのおかげでございます。
 こんな専門ど真ん中の人たちに、建築ど素人のわたしが書いた小説を読んでもらうなんて、最初は本当緊張しまくってました。大丈夫かなあ…と、不安でいっぱいだったのですが、いざ書いてみると、登場人物のセリフに共感してもらったり、わたしが考えた架空の建築が有名な建築家も似たようなものを建ててることを教えてもらって、あながち外してなかったってほっとしたり。
 そのたびに、ちゃんと物語が生きている、と確信できた。
 知識や技術は取材したり本で調べたり勉強したりして、できるだけ吸収する。つめこむ。だけど、数ヶ月やそこらの勉強では、専門家に追いつくわけがない。だけど、わたしは物語の専門家なんだから、胸張って自分の小説書けばいい。人間の本質に触れることができれば、何をテーマに書いても相手に届くんだ、そんなことを思った連載でした。…って、言い切ってしまいましたが、届いたの…だろうか? まあまあ。面白いと言ってくれるみなさまの声を信じます。ありがとう。
 さて、この話、長編化しようと思って。本に出来るかどうかは、作品次第だと思うけど、もう魂が入ってるのできっと面白いものになるんじゃないかな。書くことで、わたしも、もっともっと彼らのことを知ることができる。楽しみです。