映画三昧

 自分の中にないものを手っ取り早く取り入れたいとき、わたしは映画やドラマを見ます。
 映像を見ると自分の中になかった新たなものを摂取することができる。一方で、文字を読むと自分の中にあって眠っていたものが掘りおこさていく。映像ばかりだと考えなくなって自分の中の思考が深まらないし、かといって、文字ばかりだと自分の中にある材料を消費して閉じた世界でぐるぐるしてしまって新たな要素が入らない。どっちも必要だなと思うこの頃なのでした。
 最近、映画を今までより意識的に見るようになって、俄然面白くなってきました。小説の場合だと「主人公が部屋にいる」と書いただけで部屋にいる主人公を勝手に思い浮かべることもできるけど、映像はどんな部屋なのかを見せなくちゃいけない。何が置いてあるか、どんなふうに散らかっているのか、それは時代や地域や部屋主の性格や生活スタイルの結果であって、違和感なく存在していなければならない。なるほどーとか思いながら見るのです。あと、限られた時間でどうまとめあげるのかを知るのもすごく面白い。どう始めて、どう終わるのか。
 ツタヤで4本千円レンタルやってたので、先週は映画三昧でした。吟味しまくって選んだので全部面白かったです。

インスタント沼 ミラクル・エディション [DVD]

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三木聡監督、大好きです。麻生久美子も好き。ゆるく笑える映画。

ディア・ドクター [DVD]

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西川美和監督のストーリーや人物の描き方ってすごい。ずるくて弱くて、でも頼られたら精一杯がんばってしまう人間くさい偽医師。よかった、これ。

曲がれ!スプーン [DVD]

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↑「サマータイムマシン・ブルース」の劇団ヨーロッパ企画の映画第二弾。サマータイム…もかなり笑わせてもらったけど、これは長澤さんの可愛さが加わって、勢いはちょっと減って、しょうもない笑いは顕在。インスタント沼より、さらにゆるい映画。今度、ヨーロッパ企画の舞台見に行くよ。ここの主宰の上田誠さんは、アニメ「四畳半神話大系」の脚本担当してるのですが、原作も読んでアニメを見ると、脚本の見事さに驚くよ!世界観は崩さず、10回分に水増ししつつ、すごく森見ワールドで。森見さんと対談もしてます。

トウキョウソナタ [DVD]

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↑「アカルイミライ」の黒沢清監督。アカルイミライは好きだったけど、ちょっと恐かったので、今回どんだけ暗い話だろうか…と恐る恐る見たけど、そんなことなかった。人間の生きる力みたいな部分を信じている、力をもらえる映画でした。