個展4日目

 今日も昼から夕方すぎまでカフェ・ニアにいました。財布忘れたんだけど。支払いはつけで…。
 この小説展は、展示を見てもらって面白かったと言われて嬉しかった、ってだけじゃないことに気づいてきた。読んでもらったあと、カフェ席でだらだら喋るの。個展に関係ないこと、関係あること、本当にいろいろなことを延々と。仲良しの子だけじゃない。1,2回何かでご一緒しただけで、じっくり話したことはない人とも何時間も喋ってしまう。
 カフェの力なのか、物語の力なのか。不思議。
 小説というのは、わたしの中身であって、それを全部さらけだしたものを堪能したあとだから、前置きなしにいろいろ話してくれるんだろうか。
 ギャラリーの出口で待っていて、目が合うと、ぱっと顔を輝かせて面白かった!と言ってくれる。そして、カフェを出るときは、楽しかった!と言いながら去ってくれる。そんな日々です。
 やってみるまで、どうなるか全然分からなかったけれど、何だか、ただの「本」とも「展示」とも違う、カフェ・ギャラリーの小説展ならではの不思議空間が出来上がっている。
 なんじゃこれ、と作者のわたしが首を傾げてしまうくらい、とても面白い。いや、自分の小説が、じゃなくて。この「場」がね。
 物語と読者と作者がゆるやかにつながっている空間。
 思えば、小説というのは、作者も読者も決定的に孤独で、でも文章によってつながれているような気がする、淡い淡いものなんじゃないかな。信じれば救われる、くらいの淡い、強さ。
 作者のわたしにとっては、目の前でリアルタイムで読者に読まれている。そして読者にとってみれば、物語の作者が同じ場所に実在している。変でしょ、なんかね。大げさなんだけど、空間が歪んで何か得体の知れないものが生まれでそうなそんな気すらします。
 この経験は、絶対わたしを変えるに違いないです。
 個展4日目、終了です。ありがとうございました。
 あと、8日。なげー!(息切れ) でも後半は東京に行くので、在廊期間はあと4日です。こちらでご確認を。
 http://www.sakkanotamago.com/kokuti0409.html