日曜日のホットケーキ

 わたし一人なら、土日も平日も夜も昼も関係ない生活をしていればいいのだけれど、平日は朝起きて仕事に出かけ土日は休みという人と一緒に暮らしている以上、自由気ままというわけにはいかない。それは、面倒くさいことでもあり、ありがたいことでもあるのかな、と思うこの頃ですよ。
 何だよいきなり…ってね。いや、資料として夫婦を扱った女性作家の書いた小説を次々読んでるのだけど、読む話がことごとく恐くてさ…。未婚者が読んだら確実に結婚したくないなあ…って思うんじゃないだろうか、と他人事ながら心配になったのでした。だからって、わたしがフォローする話でもないんだが。
 というわけで、土日は便乗休日モードです。家でひたすら創作の栄養分を摂取する期間。本をいっぱい読んだり、雑誌を眺めたり、映画を見たり。創作の過程の中でも一番気楽で楽しい作業。

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 [DVD]

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 [DVD]

 おすすめしてもらったので、見てみました。たまたま電車で乗り合わせた旅行中の男女が、会話をしているうちに意気投合して、二人で途中下車をする。朝になればアメリカに帰ってしまう男と、フランスに帰らなければならない女。二人は夜が明けるまでの短くて長い時間をひたすらしゃべりながら一緒に過ごしていく。
 目が合っちゃった、恋に落ちちゃった、やっちゃった、みたいな映画的恋愛ではなく、ひたすら会話する二人。電車の車窓、ウィーンの街並み、見知らぬ町で出会っては去っていく人たち。二人の会話やそれぞれが語ることも面白いのだけど、この映画の面白さって何だろうって思ったら恋が生まれていく様子をライブで見守ってるところじゃないかと思った。
 最初はちょっと警戒しながら、緊張しながら、話していくうちに相手に惹かれていく。もっともっと相手を知りたいと思ってくる。些細な会話や、子供時代の思い出、何でもいいからもっと知りたいと思う。見ていると、自分が恋をしている気分になってくる。二人を揺さぶるような劇的な展開は何もない。ただ、話しているだけ。言葉で分かり合える、人というもののまっとうさを信じている、そんな作品だと思った。旅の途中で出会った誰かと運命の恋をするって、憧れる。
 こんなふうに語って語ってそれでも好きなら、絶対うまくいくよ。YOU!結婚しちまえ!とか思った。続編があるらしいのでそちらも楽しみです。
 それから今日は図書館に行って、コーヒーと名のついた本を片っ端から借りまくってきた。個展用の書き下ろしの模索用に。今のうちに、できるだけイメージをいろいろ散らかして広げておかないと。
 さて、明日から月曜日。がんばりましょう。