珈琲から始まる物語


 まだ詳細は決めてないんだけども、こんなテーマで個展しようと考えています。せっかくカフェギャラリーでやるんだから、何かしら接点があるものをテーマにしようと思って。写真はコーヒー豆を白い皿にならべて、家の中で光を探して撮りました。
 このテーマで、いくつか、というかできるだけたくさん、小説を書き下ろすつもりです。そして展示ならではの見せ方で展示する。本をめくるときのわくわくする感じ、あれを展示でやってみたい…と妄想中。
 小説を書き始めるときはいつもそうだけども、自分が思いついたアイデアに似ているものを見つけたら、片っ端からチェックする。というか、そのことばかり考えているので本屋に行っても図書館に行ってもビデオ屋に行っても、似ているものを勝手に目が見つけてしまう。
 似ているものを見つけると不安な気持になる。もう既にこんなにヒットしてるものがあるんだから、わたしが書いても無駄なんじゃないか、と。気づかなかったことにしてしまいたくなる。でも、実際そこにあるんだから、目を背けてもしょうがないので、敢えてそれを読んだり見たりする。その結果、ああなんだ、似てると思ったけどわたしのやりたいことと違うじゃん、と安心することもあるし、自分の想像以上のものが既にそこにあって落ちこむこともあるんだけど。
 でも、何も知らないまま、既にあるものよりつまらないものを作って、いい気になってるところに、後から「こんなのも既にあるよ」と人から知らされるより、ずっといい。既にある、わたしの考えの似た、わたしのアイデアよりもずっと面白いもの、に出会うと、受け手としてはわくわくして、作り手としては打ちのめされる。そういう作品は、わたしが今まで気づかなかったわたしの中のスイッチをたくさん押してくれる。作品に出会う前よりも、わたしはずっとずっとそのテーマに鋭くなっている。
 後発のわたしは、その良さもすごさも、思う存分研究することができて、それを踏み台にして違うものを作ることができるし、作らなくちゃいけない。難しいけれど、打ちのめされながら、わくわくする。

珈琲時間 (アフタヌーンKC)

珈琲時間 (アフタヌーンKC)

…というわけで、この漫画が面白かったです。珈琲が出てくる、いろいろな短編。人物が魅力的で、現実から5センチ浮いたような世界観が面白くて、いやはや。読み終わって、両手ついて、すんません負けました、って感じですが。ふ、ここからですよ。ふふふふふ。楽しみだな。追い詰められたわたしが!
 追い詰められたといえば、今、原稿用紙4枚分ほどの掌編に挑戦していて、この枚数に苦戦しています。葉書小説は1000文字、サンドイッチ小説は400文字ほどですが。原稿用紙4枚1600字って難しい。要素を入れすぎると消化不良、削りすぎると間延びする。あと2日ほどですが頑張ります。そしたらメールの返事とか、いろいろしようと思います。
 あ、漫画といえば、今月号のコミックリュウの「芥川さんち」も面白かったです。芥川さんと奥さんのなれそめの話。実際の書簡も引用してたりして芥川さんに萌えまくりでした。