さて、2010年です!

 年末に大学時代の文芸部の1年下の後輩が亡くなって、急遽福岡に行ってきました。今まで大きな病気もなく健康に過ごしてきたのに、突然倒れて心臓の病気が発覚してあっという間に進行して…ということだったそうです。数年前、大学の部室で一緒にわいわいやってたときは、こんな未来が来るとは誰も想像していなかったのに。連絡をもらっても、通夜の会場にかけつけて遺影を見ても、大がかりな冗談のような、夢の中のような気持がしていた。わたしが小説家デビューできたことを喜んでくれていて、本も買ってくれていたのに、体力が回復せずに読むことが出来なかった、と親御さんに聞いて、ようやく、もう会えないのだなあと実感が沸いて泣いた。
 彼の29年分のかけがえのない人生を思い出しては、背筋を伸ばして、生きていこうと思います。
 デビューが決まってから一度も福岡に帰ってなかったので、みんなからお祝いの言葉をあれこれもらった。こういうときだけど、彼もデビューを喜んでたんだから許してくれるだろう、とか言いながらね。こんなことでもないと集合しない大学時代の仲間たちと、しんみりしたりわいわいしたりしながら忘れられない年末を過ごしました。
 そして正月は母方の実家の岡山に帰りました。うちの親も弟も大集合。おせち料理やお餅や雑煮やお酒や、もう食べてはごろごろして、これぞ正月という感じの正月を過ごしました。従兄のお嫁さんのお父さんが、随分たくさんわたしの本の宣伝してくれたらしい。そして、わたしの父は職場の人に買わせた本を持ってきていて、サインしろというので、せっせとサインしたよ…。いや本当ありがとうございます…。サイン本が価値出るように頑張ります。おばあちゃんが、あんたよかったねえって何度も言ってくれました。
 2010年の目標は、たくさん書くことです。言い訳をせず、いいものをたくさん書く。書くことでしか成長できないと思う。量産という意味ではない。曲がりなりにも小説家としてプロでやっていこうとしているのだから、しょうもないものを一つでも世に出すわけにいかない。出せば、ファンは減り、自分の首を絞めることになる。そういう「縛り」の中で、読んだ人をがっかりさせないクオリティのものを一作でもたくさん書くことが目標です。がんばりますよ。