なつかしい感じ

 パソコン上の直しが終わってようやく最初から最後までつながった。50枚増えていた。ふと思い立って、普段使うA4サイズじゃなくて、B5用紙に縮小印刷した。小さくて可愛らしく、持ち歩くのにちょうどいい。

 「月と六ペンス」という名のカフェで赤ペンを入れる。本好きのためのお一人様仕様のカフェ。普通の古いアパートの鉄のドアを開けて中に入ると、窓を向いて座るカウンターの席と、さりげなく置かれた文庫本。
 カフェは二階にあって、窓から光がほどよく差し込んでいる。そんな場所で、一人原稿に向かっていると、何だかなつかしい感じがした。高校生の頃、授業も聞かずに窓の外ばかり眺めて、せっせとノートに小説を書いていたことを思い出した。