歌姫たち

 自分にないものが羨ましくてたまらないことが誰しもあると思うけど。わたしは、自分が歌えたらいいのに、といつも思う。言葉に魂を吹きこんで、人間の原始的な衝動部分に、ぶつけられたらいいのに、と思う。魅力的な声で。力強い体で。生そのものを瞬間に全部、篭めて。
 昨日はひょんな縁でつながって仲良しになった歌姫たちと、昔から仲良しのニィナちゃんと、4人で公園をお散歩して、写真撮って、それからカラオケに行きました。カラオケ好きなんだけど、下手の横好きというか、もう好きな歌を勝手に気持ちよく歌えればいいやーという感じなんですけれども、上手い人の歌は、言葉が生きていて、強く強く胸を打つ。一語一語に魂が篭っていて、日頃だらだらと言葉を垂れ流しているわたしは、生歌を聞くといつもはっとさせられる。
 生歌と言えば、おとといはミドリカワ書房ライブに行きましたよ。ニィナちゃんが好きなので。物語調の歌詞と気持いいメロディと、温かい声と、白シャツが似合うあっさりとしたお顔立ちを堪能してきました。
 いいなー、歌は。こちらを見てない人にも、どーんとぶつけて振り返らせて立ち止まらせることもできる。小説は、手に取って開いて、しばらく我慢して読んでくれなきゃ伝わらない。でも、それぞれのよさがある。羨ましがりながら、自分の道を歩いていかなくちゃ。