今月の雑誌

 本屋をふらふらしてピンと来た雑誌を買って返るのが、気分転換の一つなんだけど。いつも違う雑誌を選んでしまう。「表現者」としての在り方が見える特集が好きなのかな。今回ピンと来たのは、SWITCHでした。
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 表紙の深津絵里に惹かれた。中のインタビュー記事もとても充実してました。ポートレート作品を撮るために現れた彼女は、なるべく素の自分を表現するために、専用のスタイリストやメイクをつけずに、ほぼすっぴんに近い姿でそのまま撮影に入ったというエピソードが印象的でした。
 深津絵里といえば、女性ファッション誌の表紙を飾ったときの写真が忘れられない。毎月いろいろな旬の女優さんが表紙を飾ってますでしょ、あれ。しかも、ファッション誌の表紙になったモデルや女優たちは、みんな似たような角度でにっこりと口角を持ち上げて笑うのに、ファッション誌の表紙になったときの深津絵里はどこか引きつったような困ったような顔をして写っていた。造作が美人というわけではない、どこかアンバランスな感じ。でも演技をしていると、こんなにキュートで綺麗でかっこいい人は他にいないんじゃないかと思ってしまう。不思議。そしてそこに惹かれて止まない。

 蒼井優にも似たようなことを思っていたのだけど。
 わたしは小説を書くときに、自分の身を切り売りしているという感覚があって、しかも一つの小説を書くモードになったらそれ以外何も考えられなくなってちゃんと周りと接してられなくなるんだけど、で、それじゃいけないと思って葛藤するんだけど、何かそういう思いと同じものが(いや、もっと激しいんだと思うけど)蒼井優のインタビューに書かれていて、読んで泣きそうになった。わたしなんかつい数年でようやく分かってきた感覚なのに、彼女はこんなに若くてそれを当然のものしてずっとやってきている。きっと誰に教えられたわけじゃないんだろうにね。だからあの作品たちがある。
 最近はものすごい蒼井優リスペクトです。大好き。

 今月のSWITCHで特集されてる女優たちは、深津絵里永作博美木村多江麻生久美子蒼井優の5人。演技や作品作りに賭ける真剣な様子がひしひしと伝わってくるインタビュー記事とポートレートに大満足でした。もっと映画見ようと思った。彼女たちの魂が篭められてる映画を。