ずっと探していた本

 絵本コーナーの棚の前に来るたびに探していた本がありました。奇妙な架空の動物が次々出てくる絵本で、幼いわたしはその絵本を気に入っていた。そして、妙な動物のエピソードに触発されて、自分でもナンセンスな動物を考えては、絵本の語り口調を真似して自分で絵本を作った…気がする。そう、いわば、わたしの創作の原点となった絵本! もう一度出会いたい!
 でも、タイトルも作者も出版社も忘れた。自分のツノでスキーをする鹿のような生き物が出てくることだけ覚えている。有名な本なら書店に並んでるかなあと思ったけど、まったく見つからない。古本市で絵本専門書店を見ても見つからず(かの黒髪の乙女のように古書の神様は手助けしてくれなかったのです!)。
 それが先日、ふいに、タイトルを思い出したのでした。ファンタジー小説の世界では名前をあてたら敵を倒せるなんてエピソードもあるくらいだけども、今の世の中、名前さえ分かればグーグル様が探してきてくれるのですよ。

こんなどうぶつうそほんと?! (ピートの絵本シリーズ (11))

こんなどうぶつうそほんと?! (ピートの絵本シリーズ (11))

 これ!これこれ!存在確認!…絶版!?画像がないから詳細確認できない!しかし、図書館の検索で見つけたので取り寄せてみました。

…うーん、こんな表紙だったっけ。見覚えない…と思いながらページをめくっていく。

 いたー!!こいつ!こいつ!!
 絶版だったら本屋で見かけないよね。そして表紙見ても思い出せないんじゃ、絵本専用古書店でも出会いようがないよね。名前って大事ですね、という話。大人になってから改めて読んだら、なかなかブラックでシュールでした。

↑「ゾウキンヒツジは、しっぽの さきの ぞうきんを かつらにして、なんともじょうずに おつむの つるつるを かくしている。」