川上未映子+ミニスカ

 この検索用語で飛んでくる人が多すぎます。

 友人が新聞に川上未映子のインタビューがあったというので、図書館に行きました。だが何新聞か聞くのを忘れたので、朝日、読売、毎日…と片っ端から見ていきましたが、全部載ってました。なんてこった!芥川賞ってのはこんなにメジャーな出来事だったのけ? いやあ、美しいわ。わたしこの顔好きです。椎名林檎好きなので。どの新聞も直木賞芥川賞の二人のツーショット写真+ニュース、それとは別の面に川上さんオンリーの写真付き特集でした。なんでみんなそろって一緒の構成なんだろう…。直木賞の人の特集はなくていいんですかね。しかし、あちこちで「受賞作の『乳と卵』は、豊胸手術したいホステスとその娘が…」なんて適当なあらすじ書かれると何だかしょんぼりしてしまいます。確かにその通りなんだけど、そのあらすじだけを取り出すことには意味がないというか。しかもどの記事も作者の生い立ちとかそういうのばかり一生懸命書いてて、まあそれはいいんだけど、夫の年齢とか職業とか要らないじゃん…と思ったりしますが。まあそれもいいんだけれども。で、インタビューというか各社一言ずつ「〜〜と語ってた」のように川上さん自身の言葉を載せていたのですが、そこだけは全部違ってて感心しました。まさか新聞社同士で被らないように示し合わせたわけでもあるまい。たくさん語るべきことがあったのだろうか。それで各社取り出す場所が違ったのだろうかなんて思いました。

 文体は樋口一葉を意識したという説明を見て、うおおーと思いました。樋口一葉か…。わたしなんか、松浦理英子さんが現代語訳したバージョンと、漫画ガラスの仮面の中でマヤたちが演じていたところしか読めてないんだけれども!読めないぜあれ!たとえばこんなのですよ。↓

 廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來にはかり知られぬ全盛をうらなひて、大音寺前と名は佛くさけれど、さりとは陽氣の町と住みたる人の申き、三嶋神社の角をまがりてより是れぞと見ゆる大厦もなく、かたぶく軒端の十軒長屋二十軒長や、商ひはかつふつ利かぬ處とて半さしたる雨戸の外に、あやしき形に紙を切りなして、胡粉ぬりくり彩色のある田樂みるやう、裏にはりたる串のさまもをかし、一軒ならず二軒ならず、朝日に干して夕日に仕舞ふ手當こと/″\しく、

たけくらべ冒頭 青空文庫より)
 金色夜叉の尾崎一葉でいっぱいいっぱいだったのに…。読んでかつ意識してかつあれ書いたなんて…!ところで、川上さんの文体については、どこかの新聞が「ノリのよい大阪弁で」と書いてあったが、ありゃ中身読んでないんじゃないの?と思いました。ノリはよくない…ぞ?

 ともかく、がちで純文学嗜好な上に次は見たこともない文体を書きたいなんて言ってる冒険心!素敵だ。がんばってほしいなあ!